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2026.11.04 理事長コラム

「生きにくさ」をみつめる

障害とは、社会の中での「生きにくさ」だといえます。これは本人の責任ではありません。社会のあり方によって、生きにくさは変化するからです。生きにくさには、様々なものがあります。どんなに体が不自由でも、複雑なことを理解するのが苦手でも、無表情でも、一人ひとりの内面には必す一人ひとり個性的な豊かな感性が存在します。

支援者の役割には、いろいろありますが、突き詰めていくと、「利用者一人ひとりが自分自身の存在に対して自信を持つこと」を支えることだといえます。

支援者の価値観ではなく利用者一人ひとりの世界を知り、認め、生きにくさを少しでも軽減し、利用者が自信をもって生きていくことができるように支えていくということです。利用者の中には、自分の思いや自分の感情に合わせて体をコントロールすることのできない、付き合いにくい体の人もいます。しかし、言葉に頼ることのできない人たちは、言葉ではない情報を繊細に受け止めることができます。支援者が、利用者に笑顔で接していても、余裕がなかったり、悩みを抱えていたりすると、それは伝わっています。

支援者は、言葉のない人に対しては、言葉に頼らずに思いを探ろうとしますが、言葉のある人に対しては、言葉に振り回されがちです。言葉のある人も、ない人も、言葉以外の様々なサインを出しています。体の「ことば」は、必す本音だといえます。利用者の「おかしな行動」「わけのわからない行動」は、本人にとっては必ず肯定的な意味があります。利用者に正論を熱心に語り、「そういうことはしてはいけない」と伝えても、利用者の行動に変化がみられないときでも、必ずしも伝わっていないわけではありません。言われていることはよくわかっていても、自分では行動を止めることができない人もいます。「してはいけないこと」でも、してしまうのは、それしか術を知らないからです。学習してきたことなのです。心は理解し行動はとめる。共感的でなければ乱暴になります。大切な支援者としての視点です。

(2020年コラムより_原文ママ)